助動詞「can」を使いこなす
「小さな言葉が大きな可能性を開く。」
英語学習者にとって、助動詞 can は最初に覚える表現の一つです。単純な「できる」という意味だけでなく、許可や依頼、可能性を示すなど用途は幅広いもの。このガイドでは、基本から応用までを5つのポイントに分けて丁寧に解説します。
1 可能性を表す「can」
「can」は自分や他人が物理的・能力的に可能であることを示すときに使われます。特に会議や仕事の場面で、「いつまでにできるか」を伝える際に便利です。
💡 Point
・可能性を示すときは主語の能力や状況を明確にする
・未来のことでも「will」ではなく「can」で言うと、実現可能性を強調できる
具体的な例を挙げると、次のような会話になります。
A: Can you join the meeting at 3 PM?
B: Yes, I can.
単純ですが、こうしたやり取りはビジネスシーンで毎日交わされます。
2 許可を求める「Can I...?"
日常会話では、相手に対して何かをしてよいか尋ねるときに「Can I...?」を使います。「May I...?」よりもカジュアルで親しみやすいニュアンスがあります。
💡 Point
・ビジネスの場では「May I...」の方が丁寧
・友人や家族同士なら「Can I...」で問題なし
会話例を見てみましょう。
A: Can I leave early today?
B: Sure, go ahead.
このように、許可を求める表現として最もよく使われます。
3 依頼するときの「Can you...?"
依頼表現では、丁寧なお願いとして「Could you...?」を使うこともありますが、友人や同僚との会話では「Can you...?」が一般的です。
💡 Point
・依頼の内容が難しいほど「Could you...?」の方が丁寧に聞こえる
・緊急性を伝えたい時は「Can you ~ right now?」など時間を明示
実際の会話を例に見てみましょう。
A: Can you help me with this report?
B: Of course, I'll take a look.
状況に応じて「Could you...」と使い分けると、より自然な依頼ができます。
4 可能性を示す「can」の否定形
「can't」を使うことで、何かをすることができない、あるいは不可能であることを表します。注意したいのは、単に能力がない場合だけでなく、予定や状況的に難しい場合にも使われる点です。
💡 Point
・「cannot」と書くとフォーマルな印象になる
・「can't」より「cannot」の方が強い拒否のニュアンスを帯びることもある
ビジネスの場面では、やむを得ず断るときに「I’m afraid I can’t...」と前置きすると、より丁寧になります。
5 「can」を含む便利なイディオム
この表現は同意を強く示す口語表現で、相手の意見に完全に賛成するときに使います。ほかにも「as far as I can see(私が見る限り)」や「Can you believe it?(信じられる?)」など、「can」を使った定型表現は数多くあります。
💡 Point
・イディオムは文脈と一緒に覚えると定着しやすい
・ネイティブがよく使う表現を真似してみるとよい
会話例として、次のようなシチュエーションを考えてみましょう。
A: Our project is finally complete!
B: You can say that again!
感情を込めて言うと、より自然なやり取りになります。
6 可能性の幅を示す表現
この例のように、「can」は「〜することがある」といった一般的な可能性を示す際にも用いられます。習慣的な出来事や状況を説明する時に使うと自然です。
💡 Point
・「sometimes」「often」と組み合わせて頻度を強調できる
・「can」だけでも習慣的なニュアンスが伝わることが多い
会話例を見てみましょう。
A: Can it snow in April here?
B: Yes, it can. It doesn't happen often, but it's possible.
このように、状況の可能性を説明するときにも「can」が活躍します。
まとめ:「can」を自在に操る
「can」は単なる「できる」だけでなく、許可・依頼・可能性など多面的な意味を持つ助動詞です。場面に応じて正しく使い分けることで、英語のコミュニケーション力が格段に向上します。
今日から始めるアクション:
- 身近なお願い事を英語にして「Can you...?」で頼んでみる
- 日常の予定を立てるときに「I can...」「I can't...」と口に出してみる
- ニュース記事を読み、そこに登場する「can」の意味や役割を分析する
- 相手の許可を得る場面では「Can I...?」を意識的に使う
- 覚えたイディオムを友達との会話で実際に使ってみる
これらの練習を積み重ねれば、「can」を使った表現が自然と身につきます。ぜひ今日から実践してみてください。