「have」の多様な使い方:英語力を格上げする基本動詞マスターガイド
2025年06月02日

「have」の多様な使い方:英語力を格上げする基本動詞マスターガイド

著者アバターVocabasy編集部
|文法・語彙
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「have」を極める:英語の万能動詞が持つ本質的イメージ

「言語には、その言葉が持つ本質的なイメージがある。それを理解することが、真の習得への鍵だ。」

– 単なる意味の暗記ではなく、言葉の持つイメージを捉えることで、英語力は飛躍的に向上します。

Have Expressions in English

英語の「have」には、一つの本質的なイメージがあります。それは「自分の領域内に取り込む・保持する」という概念です。この核となるイメージを理解すれば、一見バラバラに見える「have」の様々な用法が、実はすべて同じ概念から派生していることが見えてきます。

この記事では「have」の持つ本質的なイメージから、どのように多様な表現が生まれるのかを解説します。物理的な所有から抽象的な経験、食事、義務まで、すべては「自分の領域内に取り込む」というコアイメージからの自然な拡張なのです。

1 「have」の核となるイメージ:自分の領域内に存在するもの

I have two cats.私は猫を2匹飼っています。

「have」の本質的なイメージは「自分の領域内に何かが存在する」状態を表します。これが最も基本的で、他のすべての用法の基盤となるイメージです。

💡 Point

・物理的所有:She has a beautiful house.(彼女は素敵な家を持っています)→ 家が彼女の領域内に存在する

・特徴や属性:He has blue eyes.(彼は青い目をしています)→ 青い目が彼の物理的領域(身体)の一部として存在する

・家族関係:Do you have any brothers or sisters?(兄弟姉妹はいますか?)→ 家族が自分の社会的領域内に存在する

・所持品:I don't have my wallet with me.(財布を持っていません)→ 財布が自分の直接的な領域内に存在しない


💬 実践会話例

A: Do you have a pen I could borrow?

B: Yes, I have several. Do you have a preference for blue or black?

A: Black, please. By the way, do you have time for coffee later?

B: Sorry, I have a meeting at 3 pm. Maybe tomorrow?

2 経験を表す「have」:経験を自分の一部として取り込む

I've never had sushi before.寿司を食べたことがありません。

経験を表す「have」は、「経験を自分の内部領域(記憶や知識)に取り込む」という対象の拡張です。物理的な所有のイメージが、抽象的な経験や記憶の領域に自然に広がったものなのです。

💡 Point

・経験表現:Have you ever had a near-death experience?(死にかける経験をしたことがありますか?)→ その経験があなたの経験領域内に存在するか

・初体験:This is the first time I've had Thai food.(タイ料理を食べるのは初めてです)→ タイ料理の経験が新たに自分の領域内に加わる

・否定形での未経験:I haven't had the chance to visit Europe yet.(まだヨーロッパを訪れる機会がありませんでした)→ その経験が自分の領域内に存在しない

・频度表現:I've had many job interviews in the past month.(この1ヶ月間で多くの就職面接を受けました)→ 多くの面接経験が自分の領域内に蓄積されている


💬 実践会話例

A: Have you had a chance to read that book I recommended?

B: Not yet. I haven't had much free time lately.

A: That's understandable. Have you had a lot of work?

B: Yes, I've had three major projects to complete this week.

3 食事・飲み物を表す「have」:文字通り体内に取り込む

Let's have lunch together.一緒にランチを食べましょう。

食事や飲み物を表す「have」は、「have」の核となるイメージが最も直接的に表れている用法です。文字通り、食べ物や飲み物を自分の体内(最も個人的な領域)に物理的に取り込む行為を表しています。この用法は「自分の領域内に取り込む」という基本概念の最も具体的な例と言えるでしょう。

💡 Point

・食事:I usually have breakfast at 7 am.(通常7時に朝食を食べます)→ 朝食を自分の体内に取り込む

・飲み物:Would you like to have a coffee?(コーヒーを飲みませんか?)→ コーヒーを体内に取り込む提案

・軽食:Let's have a snack before the movie.(映画の前に軽食を食べましょう)→ 軽食を体内に取り込む行為

・食事の誘い:Have dinner with us tonight.(今晩、私たちと夕食を食べてください)→ 共同で食事を取り込む社会的行為


💬 実践会話例

A: What did you have for breakfast this morning?

B: I had toast and eggs. Would you like to have lunch later?

A: Sure, I'd love to. Where should we go?

B: There's a new café where we can have sandwiches and tea.

4 「have to」:自分の領域内に取り込むべき義務

I have to finish this report by tomorrow.明日までにこのレポートを仕上げなければなりません。

「have to」における義務や必要性は、「自分の領域内に取り込まなければならない責任や行動」という解釈ができます。ここでは、コアイメージが抽象的な義務の領域に拡張され、自分の責任内に取り込まれるべき行動を表しています。

💡 Point

・義務:You have to wear a helmet when riding a motorcycle.(バイクに乗るときはヘルメットを着用しなければなりません)→ その義務を自分の責任領域内に取り込む必要がある

・必要性:I have to get up early tomorrow.(明日は早起きしなければなりません)→ その行動を自分の行動領域内に組み込む必要がある

・「don't have to」で不要:You don't have to apologize.(謝る必要はありません)→ その行動を自分の領域内に取り込む必要がない

・質問形:Do we have to submit the form today?(今日フォームを提出しなければなりませんか?)→ その行動を私たちの共同責任領域に取り込む必要があるか


💬 実践会話例

A: Do I have to attend the meeting tomorrow?

B: Yes, you have to be there. It's mandatory for all team members.

A: What time does it start? I have to take my son to school first.

B: It starts at 10 am, so you don't have to rush.

5 「have + 名詞」で動詞的表現:行動や経験を表す

Let's have a talk about your future plans.あなたの将来の計画について話し合いましょう。

「have」は特定の名詞と組み合わさることで、「〜する」という動詞的な意味を持つ表現を作ります。これらは日常会話でとても頻繁に使われる言い回しです。

💡 Point

・会話:Can we have a chat about the project?(プロジェクトについて少し話せますか?)

・入浴:I'm going to have a shower before bed.(寝る前にシャワーを浴びるつもりです)

・休息:Let's have a break for 10 minutes.(10分休憩しましょう)

・経験:We had a great time at the party last night.(昨夜のパーティーで素晴らしい時間を過ごしました)


💬 実践会話例

A: You look tired. Did you have a rough day?

B: Yes, I had a difficult meeting with a client. I need to have a rest.

A: Why don't we have a walk in the park? Fresh air might help.

B: That's a good idea. Let's have a quick coffee first.

まとめ:「have」の多様性を活かして英語表現を豊かに

「have」は英語の中でも特に使用頻度の高い基本動詞ですが、単に「持つ」という意味だけではなく、経験、食事、義務、そして様々な動詞的表現まで、実に多様な使い方があることがお分かりいただけたでしょう。

この一つの動詞をマスターするだけで、あなたの英語表現の幅は格段に広がります。ネイティブスピーカーは「have」を様々なニュアンスで使い分けており、これを理解することで自然な英会話に近づくことができます。

今日から始めるアクション:

  1. 毎日の生活の中で「have」を使った短い文を5つ作る練習をする
  2. 「have + 名詞」の組み合わせを意識的に使ってみる(例:have a look, have a try, have a good time)
  3. 「have to」を使って、日常の義務や必要なことを英語で表現してみる
  4. 英語の映画やドラマを見る際に、「have」の多様な使われ方に注目する

「have」の使い方を極めることで、あなたの英語はより自然で表現豊かなものになります。ぜひ日々の会話や学習の中で積極的に使ってみてください。

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