「get」を使いこなす：英語表現力を劇的に高める万能動詞
「ひとつの動詞をマスターすることは、100の単語を覚えるよりも価値がある。」
– 英語学習において、基本動詞の多様な使い方を理解することは語彙力を飛躍的に伸ばす鍵となります。
英語の「get」は、日本語の「得る」「手に入れる」という意味だけでなく、実に多様な使われ方をする万能動詞です。初級者から中級者へのステップアップには、この「get」のような基本動詞を徹底的に使いこなせるようになることが近道です。
この記事では、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使える「get」の表現を、例文と実践会話を通じてマスターしていきましょう。
1 基本的な「get」：獲得と受け取り
「get」の最も基本的な意味は「獲得する」「受け取る」です。物理的なものから情報まで、何かを手に入れる場面で広く使われます。
💡 Point
・物を手に入れる：Could you get me a glass of water?（水を一杯取ってもらえますか？）
・情報を受け取る：I got your email this morning.（今朝あなたのメールを受け取りました）
・理解する：I don't get what you're trying to say.（あなたが言おうとしていることがわかりません）
・購入する：I need to get some groceries on my way home.（帰り道に食料品を買う必要があります）
💬 実践会話例
A: Did you get the package I sent you?
B: Yes, I got it yesterday. Thanks for the birthday present!
A: Great! Did you get how to use it?
B: Not really. Could you explain it to me when we meet?
2 状態変化を表す「get」：〜になる
「get」は状態の変化を表現する際にも非常に便利です。日本語の「〜になる」に相当し、形容詞と組み合わせて使われることが多いです。
💡 Point
・状態変化：I'm getting tired.（疲れてきました）
・天候や環境：It's getting cold.（寒くなってきています）
・心理状態：She got angry when I mentioned her ex-boyfriend.（元彼の話をしたら彼女は怒りました）
・加齢：As you get older, you need more sleep.（年を取るにつれて、より多くの睡眠が必要になります）
💬 実践会話例
A: We should leave soon. It's getting late.
B: You're right. I'm getting worried about missing the last train.
A: Don't worry. If we leave now, we'll make it.
B: Let's go then. I get nervous in unfamiliar places at night.
3 移動を表す「get」：到着する・行く
「get」は移動や到着を表す動詞としても頻繁に使われます。「到達する」「行く」という意味で、特に日常会話では「go」よりも「get」が好まれることも多いです。
💡 Point
・到着する：What time did you get home last night?（昨晩何時に家に着きましたか？）
・移動する：How do you get to work every day?（毎日どうやって職場に行きますか？）
・特定の場所に行く：Let's get to the point.（本題に入りましょう）- 抽象的な移動にも使える
・移動手段：I'll get there by taxi.（タクシーでそこに行きます）
💬 実践会話例
A: How did you get to the conference center?
B: I got there by subway. It was really convenient.
A: What time did you get there?
B: I got there at 9:30, just before the keynote speech.
4 「get + 過去分詞」：受動態の表現
「get + 過去分詞」の形は、通常の受動態（be + 過去分詞）よりもカジュアルで、特に会話でよく使われます。何かが「〜される」という状況を表現します。
💡 Point
・否定的な出来事：My phone got broken during the trip.（旅行中に電話が壊れました）
・肯定的な出来事：She got promoted to manager.（彼女はマネージャーに昇進しました）
・「be動詞+過去分詞」との違い：getは変化のプロセス、beは状態を強調
・自分の行動：I got dressed quickly and left.（急いで服を着て出かけました）
💬 実践会話例
A: You look happy today. Did something good happen?
B: Yes! I got accepted to the university I wanted to attend!
A: Congratulations! When did you get notified?
B: I got the acceptance letter this morning. I was so excited that I got dressed in a hurry and came to tell you in person.
5 日常的なイディオム表現「get + 前置詞/副詞」
「get」は前置詞や副詞と組み合わさることで、多彩なイディオム表現を生み出します。これらは日常会話で非常によく使われるため、ぜひマスターしておきたい表現です。
💡 Point
・get up（起きる）：I usually get up at 6:30 on weekdays.（平日は通常6:30に起きます）
・get over（克服する）：It took me months to get over my fear of flying.（飛行機恐怖症を克服するのに数ヶ月かかりました）
・get along with（仲良くする）：Do you get along with your neighbors?（近所の人たちと仲良くしていますか？）
・get back to（返事をする/戻る）：I'll get back to you on that question tomorrow.（その質問については明日返事します）
💬 実践会話例
A: How are you getting along with your new roommate?
B: Great! We get along really well. We even get together for dinner most nights.
A: That's nice. I had a roommate I couldn't get along with last year.
B: How did you get over that situation?
A: Eventually, I got out of the lease and found a new place.
まとめ：「get」を使いこなして英会話の幅を広げよう
「get」は英語の中でも特に汎用性の高い動詞で、マスターすることで英語表現の幅が一気に広がります。単に「獲得する」という意味だけでなく、状態変化、移動、受動表現、イディオムなど、実に多様な使い方があることがお分かりいただけたでしょう。
日本語に訳すと「得る」「なる」「行く」「〜される」など様々な意味に変化するこの動詞は、英語らしい表現をするための強力な武器となります。
今日から始めるアクション：
- 日常会話の中で「get」を意識的に使ってみる（例：「理解する」を "understand" ではなく "get" で表現）
- この記事で紹介した「get + 前置詞/副詞」のイディオム表現を3つ選んで暗記する
- 英語のニュースや記事を読む際に「get」の使われ方に注目してみる
- 「get」を使った短い日記を英語で書く練習をする
「get」一つをマスターするだけで、あなたの英語表現は格段に自然になります。ぜひ日々の会話や学習の中で積極的に使ってみてください。
